畑で育った野菜と感謝の心~収穫のお手伝いと畑で渡す贈り物たち~
2025.10.31
給食運営
鳥居美由紀
こんにちは!
前回の記事では中野富士見町駅前園の「さつまいもの収穫の疑似体験」をお届けしました。
(収穫の疑似体験記事はこちら)
いつもおいしいお野菜を作ってくれて、楽しいお話をしてくれる完一さんに感謝を伝えに行きたい!と子どもたちから声が上がり、始まった畑のお手伝い。
さつまいもの苗を植え、成長する姿を観察しながら夏を過ごし、2025年10月17日、いよいよ収穫の日を迎えました。
畑のお手伝いへの期待と子どもたちの成長
提携農地に向かうバスの中の子どもたちは、畑を見つけては「完一さんの畑はどれかな?」と話しながらさつまいもに思いを馳せます。
収獲の日を迎えるまで、子どもたちのわくわくは日増しに大きく膨らんでいました。
言葉で話してくれる「楽しみだね」をはるかに超えるわくわくのエネルギーを感じた昨日。
今日はどんな姿が見られるのでしょうか。
農地に到着した子どもたちは、6月より少し成長したように感じます。
パパやママを畑に連れて行くような姿はとても頼もしく見えました。
手を挙げて畑に向かう親子の姿
自分で探す、たったひとつの宝物~にんじんの収穫~
農地に到着して見えてきたのは、畑いっぱいに植えられているにんじん。
緑色をしたギザギザの葉っぱが風でゆらゆら揺れています。
まず最初ににんじんを収穫します。
畑中を歩きながらにんじんを探す姿
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たったひとつのにんじんに喜ぶ親子の姿
「1本、自分で選んで収穫していいよ」
完一さんからにんじんのお話を聞いた後、子どもたちは宝物を探すようにたった一つのにんじんを探します。
葉っぱの先ではなく、根元を見ながら歩き回る子どもたち。
自分で探して、選んだにんじん。
大きくても、小さくても、自分だけのかけがえのない宝物を探し回った大切な時間でした。
自分たちで植えたさつまいも、制作したかかしとの再会
にんじんを収穫する楽しさを感じながら、次はいよいよ、さつまいもの収穫です。
完一さんからさつまいものお話を聞いて、「さあ、掘ってみましょう」という声かけの後、収穫が始まりました。
子どもたちは昨日の“れんしゅう”を思い出しながら、掘り進めていきます。
大きなさつまいもを収穫する親子の姿
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少しずつ顔を出す大きなさつまいもに喜ぶ子どもたち
“れんしゅう”のさつまいもと違って、なかなか根っこが見えてきません。
代わりに大きなさつまいもが何個も見えてきます。
さつまいもの周りの土は簡単には取れません。
子どもたちは、さつまいもの周りの土をパパやママと協力しながら取り出します。
少しずつ見えてくるさつまいもに子どもたちは自然と笑顔になります。
さつまいもを持ち上げた子どもたちを見て、パパやママ、職員の喜びの声が畑に響き渡ります。
“れんしゅう”とお手伝いを繰り返して繋ぎ続けたさつまいもの収穫。
大きなさつまいもと子どもたちの満面の笑みに出会うことができました。
様々な動物から畑を守ってくれたかかしへの感謝
子どもたちが制作したかかしの「かかしちゃん」
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“かかしちゃん”は、さつまいもの苗を植えた日から収穫の日までの136日間、同じ場所で雨の日も風の日も畑に立ち、倒れることなく畑の野菜を守り続けてくれました。
“かかしちゃん”のおかげで、すいかは動物に食べられることなく、みんなで楽しくすいか割りをすることができました。
さつまいもは動物にいたずらされることなく、大きなさつまいもに成長していました。
子どもたちと一緒に、すいかやさつまいもの成長を見守り続けてくれた“かかしちゃん”は、収穫のこの日、お手伝いを終えて、子どもたちと一緒に保育園に帰ります。
子どもたちは、かかしちゃんに「ありがとう」を伝えました。
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かかしと一緒に記念写真の撮影
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かかしに感謝を伝えて持ち帰る様子
4年ぶりの再会とはじめまして 野菜のおともだち
“かかしちゃん”の近くでオレンジに色づく不思議な形のお野菜。
「生で食べられるかぼちゃのお名前は?」と話しかけると、「こりんこ?」と少し恥ずかしそうに答えてくれました。
ヒントを挙げると元気よく「こりんぴー」と話してくれる子ども。
生で食べられる、このかぼちゃはコリンキーです。
何人かの子どもたちは、このお野菜に1歳児クラスのときに出会っています。
給食でおかわりをしてパクパク食べていた思い出話を園長先生がしてくれました。
4年ぶりに再会したおともだち。食べたら思い出してくれるかな。
はじめましてのおともだち。不思議な形のコリンキー。覚えていてね。
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コリンキーを持つ子どもの姿
子どもたちからの贈り物
収獲のお手伝いを終えて、そろそろ保育園に帰る時間です。
子どもたちと職員がヒソヒソとお話ししながら準備をしています。
子どもたちは完一さんに保育園への招待状を渡すサプライズを用意していました。
子どもたちは完一さんと給食を食べる企画を考え、味噌を作って、ご招待の準備をしてきました。
完一さんと息子の孝治さんに招待状を渡します。
子どもたちが作った味噌が出来上がる12月に、完一さんと孝治さんが作ってくれたさつまいもとにんじんがたっぷり入った豚汁をみんなで食べます。
私にも招待状が2通届いたので、12月に行ってきます。
どなたか、一緒に行きませんか?
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恥ずかしそうに招待状を渡す姿
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招待状を一緒に読んでいる姿
食育は、日々の給食とつながりながら、子どもたちが家庭に持ち帰ることができるパパやママへの贈り物です。
この日も満面の笑みでお手伝いを終え、自分だけの食育を持ち帰ることができたことでしょう。